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建設SaaS「スパイダープラス」のエンジニアとデザイナーのブログ

顧客理解勉強会をしてみて実感したこと

こんにちは、iOSエンジニアの澤田です。
今回は、私が主催として定期的に開催している「顧客理解勉強会」についてご紹介します。

開発業務に集中していると、実装する機能がどのような課題を解決し、どのような価値を提供するのかを見失いやすくなります。

そこでこの勉強会は、エンジニアが顧客視点を常に意識できるよう、それぞれが集まって顧客課題やその解決策について議論する場として位置づけています。

この記事では、勉強会の目的や進め方、また実際に行って実感したことについてお伝えします。

なお、実務での活用事例については取り上げておりませんが、顧客視点を意識した開発を目指している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

勉強会を始めたきっかけ

日々の開発業務では、顧客がどのような課題に直面しているのかを把握するのが難しく、結果として「誰のどんな問題を解決するために開発しているのか」が見えにくいと感じることがありました。

そこで顧客理解を深め、より顧客視点を意識した開発ができるようにしたいと思い、この勉強会を始めることにしました。

勉強会の目的

この勉強会の目的は、エンジニアが技術の専門家としてだけでなく、顧客の課題解決者としての役割を強化することにあります。
プロダクト開発において、エンジニアが顧客視点を持つことは非常に重要であり、技術的なスキルを高めるだけでなく、顧客のニーズや問題を正確に理解することで、より価値のあるプロダクトを提供できるようになると考えます。
そこでこの勉強会では、顧客がどのような課題に直面しているのか、そしてどのような価値を期待しているのかを深く考えます。
またそれに対して、私たちのプロダクトがどのような価値を提供できるのかを探り、議論を重ねます。そこで得た知見や視点を日々の開発に活かし、最終的に顧客満足度の向上に繋げることを目指しております。

勉強会の進め方

大まかな流れ

  1. ドキュメントの読み込み
    ビジネスグループ(顧客のニーズや市場動向を分析する部署)が作成した顧客の課題や期待に関するドキュメントを読み込みます。
  2. グループ内共有
    3〜4人のグループに分かれ、ドキュメントから得た気づきや疑問点などを共有します。
  3. グループ内議論
    顧客の課題やゴールについて深く掘り下げ、活発な議論を通じて顧客の根本的な問題の特定や、新たなアイデアの発想を行います。
詳細

まずビジネスグループが作成したドキュメントを読み込みます。
このドキュメントには、主に以下の内容がまとまっています。

  • 顧客にとってのゴールと、そのゴールを達成するために重要なプロセス
  • ゴール達成に関わる建設業従事者の高付加価値業務や日常業務の具体的な内容
  • 顧客が抱えている課題の分析と、それを自社プロダクトでどのように解決できるのかの考察

これらの情報をもとに、顧客がどのようにプロダクトを利用し、どのような成果を目指しているのかを理解します。
次に3〜4人のグループに分かれ、ドキュメントを読んで得た気づきや学び、また湧いてきたアイデアや疑問点を共有します。
グループ分けする理由は、人数が多すぎると個々の発言機会が減り、議論が活発になりにくくなるためです。

また気付きや疑問点を共有し合うことで、他のメンバーが持つ知識や視点を通じて自己の理解が深まり、新たなアイデアや解決策が生まれる可能性が高まります。

その後顧客の課題やゴールについて深く掘り下げ、活発な議論を行います。
具体的には以下のような議論が行われました。

  • 顧客が抱えている課題の根本的原因は何か
  • 競合プロダクトと比較して、自社プロダクトの強みと改善点は何か
  • 顧客の課題を解決するために、新たにどのような機能やサービスを追加できそうか

実際にやってみて感じたこと

勉強会を通じて、普段の開発業務ではなかなか意識しきれない顧客のニーズや期待について深く考えることができ、日々の業務でも常に顧客視点を意識する重要性を再認識しました。

またエンジニア同士で顧客の課題や自社プロダクトについて率直に議論できる場はこれまであまりなかったため、新鮮でとても有意義な時間となりました。

参加したエンジニアたちからも、
「普段の業務では気づけない新たな発見が多くあった」、
「他の参加者の視点から、自分では見えていなかったことに気づけた」、
「議論を通じて、顧客に対する理解がより深まった」
といった声が寄せられ、改めて開催して良かったと感じました。

今後の展望

今後も定期的に勉強会を続けることで顧客理解を深めながら、より優れたプロダクト開発に取り組んでいきたいと思います。

また勉強会自体もより良くしていくために、扱うテーマの幅を広げたり、ビジネスサイドの部門からの参加者も増やすことで、より多様な視点を取り入れるよう改善していきたいと思います。

ところで、スパイダープラスでは仲間を募集中です。

スパイダープラスにちょっと興味が出てきた方や、継続的に顧客理解を深めながら開発に携わってみたいなという方がいらっしゃったらお気軽にご連絡ください。