はじめに
こんにちは。
プロダクト運用部CREチームの大畑です。
唐突ですが先日、ITパスポートを受験しました。
エンジニアとして働き始めて丸10年近く経つのですが、「エンジニアなら受かって当然という風潮だけど本当か?」と思ったのが発端です。
当然(?)合格点取りました(けど、正式な結果がまだなので合格と言い切れないのが締まりませんが……)。
さておき。
今回はITパスポートの試験を受けてみたら意外と学びが多かった話をまとめてみたいと思います。
1分まとめ
- ITパスポートと言う名前なのにビジネス全般の基礎知識を問われる総合的な試験だった
- 取得でDX推進パスポートのデジタルバッジとITコーディネータ試験の一部免除のメリットがある
- 応用的な問題も出てくるので油断は禁物
ITパスポートって何?
まずITパスポートという試験の概要について触れたいと思います。
以下はIPA(情報処理推進機構)のサイトから引用した情報です。
ITパスポートとは以下の様な試験です。
ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験
受験者の想定を調べてみると、「システム開発を依頼する側の担当者が最低限知っているべき知識を保有する人物」という感じでした。
そういう意味では現役エンジニアが積極的に取得する意味はないかもしれません。
ですが試験範囲はビジネスマンとして知っておくべき知識も多く含まれます(貸借対照表なんて最たるものですよね)。
試験の難易度や内容から以下の理由から「実は受けてもいいんじゃないか」と思うに至りました。
ITパスポートを受けても良いんじゃないかと思った理由
その1. ビジネス全般の基礎知識を確認できる
その2. エンジニアも取得するメリットが(一応)ある
その3. 学習習慣またはリスキリングのきっかけにできる
それぞれ軽く触れていきたいと思います。
それぞれの理由とその説明
理由その1:ビジネス全般の基礎知識を確認できる
実際問題ITパスポートの難易度は低いです。
詳細はシラバスを確認頂ければと思いますが、試験範囲は大別して3つです。
テクノロジ系。
コンピュータシステムやデータベース、ネットワーク、セキュリティ等の技術要素を問う内容です。
エンジニアに限らず知ってて当然(と言いたい)レベルの問題だと思います。
マネジメント系。
プロジェクトマネジメントやITIL等のサービスマネジメントの基礎知識を問う内容です。
エンジニアなら業務で触れている(はず)の内容です。
ストラテジ系。
企業ガバナンスと戦略管理の基礎知識を問う内容です。
ビジネスマンとして最低限知っておきたい用語や概念ばかりだと思います。
エンジニアならテクノロジ系、マネジメント系は知っていても、ストラテジ系の「IT管理」や「経営全般」の部分は触れる機会があまりないと思います。
よく理解してなかった事柄も多く、なんとなく知っていた知識整理に丁度良い内容と難易度だと感じました。
例えばこんなのです。
PPMを用いて、自社の資金を生み出す事業と、投資が必要な事業を区分し、資源配分の最適化を図りたい。
このとき、PPMにおける資金や利益の有効な源となる”金のなる木”と名付けられた領域はどれか。
ア:市場成長率、自社のマーケットシェアが共に高い事業
イ:市場成長率、自社のマーケットシェアが共に低い事業
ウ:市場成長率は高いが、自社のマーケットシェアは低い事業
エ:市場成長率は低いが、自社のマーケットシェアは高い事業
平成28年秋期 問34(正解はエ)
テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系のすべてが基準点を超える必要があるので、全ての系統を対策しておかないと落ちる可能性があります。
ちなみに合格率は大体50%程度なので、半分は落ちる試験とも言えそうです。
理由その2. エンジニアも取得するメリットが(一応)ある
ITパスポートを取得すると以下2つのメリットがあります。
メリット1:『DX推進パスポート デジタルバッジ』を取得できる
デジタルリテラシー協議会が推進する『Di-Lite』のバッジになります。
「Di-Lite 」とは、「デジタルを使う人材」であるために、全てのビジネスパーソンが、共通して身につけるべきデジタルリテラシー範囲のこと。
基本情報技術者、応用情報技術者や高度試験は対象外でITパスポートが対象なのがポイントです。
メリット2:ITコーディネータ試験の一部免除が受けられる
ITパスポート1,000点満点中、750点以上の合格でITコーディネータ試験の一部免除が受けられます。
ITコーディネータはITコーディネータ協会が認定する民間資格で
企業存続や組織の成長のために、変革構想立案からシステム導入・評価改善までを一貫して推進・支援し、デジタル経営とDXを実現するプロフェッショナル人材
と位置づけられています。
ちなみにITSSだとレベル4で、IPA高度試験と同じレベルだそうです。
これらがメリットかどうかは個人のキャリアや目標次第だと思いますが、取得する事で資格マニアになるとか、何かのきっかけになるかもしれません。
理由その3. 学習習慣またはリスキリングのきっかけにできる
資格の勉強は学習習慣を身につける絶好のスタートポイントになる事。
これはご理解頂けると思います。
ITパスポートはCBT方式で年中無休だから受験日も自分のペースでを決められます。
自分のペースでスケジュールが立てられる上、エンジニアならテクノロジ系やマネジメント系は既存知識で対応できる部分が多く2分野の学習時間は短くて済みます。
ストラテジ系は貸借対照表や原価計算など、ビジネスパーソンとして知っておくべき基礎知識も含まれるので普段余り接しない知識から新たな視点を得られる可能性もあります。
特に勉強から遠ざかっている方にとっては試験自体の敷居が低いので、過度に身構える必要もありません。
学習習慣が身につけばさらに高度な資格へのステップアップや、継続的な学習習慣の形成にもつながります。
リスキリングのきっかけにも、学習の習慣づけにも丁度良さそうなんですよね。
まとめ
エンジニアがITパスポートの試験を受けてみたら、ということで長々と書いてきましたが、改めて以下にまとめさせて頂ければと思います。
- ITパスポートはビジネス全般の基礎知識を問われる総合的な試験だった
- 難易度は低いが応用的な問題も出てくるので油断は禁物
- 取得でDX推進パスポートのデジタルバッジとITコーディネータ試験の一部免除のメリットがある
- 学習習慣またはリスキリングのきっかけにできる
- ブログのネタになる(調べたら「エンジニア ITパスポート」ネタは結構ありました)
最後に
そして最後に大事なこと。
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