SPIDERPLUS Tech Blog

建設SaaS「スパイダープラス」のエンジニアとデザイナーのブログ

AWS re:Invent2024参加レポート!紫の一週間

あけましておめでとうございます!

プラットフォーム開発部のわにわに🐊です。

2024年3月から始めたスパイダープラス技術ブログの新年初記事は2024年12月2日〜5日にラスベガスで開催されたAWS re:Invent 2024の熱気あふれる様子をお送りいたします!

reinvent.awsevents.com

初めてのアメリカ、そしてラスベガス

今回のre:Inventが私にとって初のアメリカ訪問です。

アメリカに降り立った瞬間、「本当にアメリカって存在するんだ」と妙な現実感のなさに包まれました。 まわりは皆外国人で、看板も話されている言葉も英語。移動は、飛行機という隔離された空間だったので、現実というよりも別世界に放り込まれたような感覚でした。

ラスベガスは、まあ規模の大きい東武ワールドスクウェアかな...

街の中色々

巨大な会場と果てしない移動距離

会場は複数の大きなホテルに併設された会議場を利用しており、それぞれがとにかく広い。 移動にはre:Invent専用の無料シャトルバスを使いますが、それでも1日あたり16,000歩以上歩くほどの規模感。 世界中から6万人以上が集まったそうですが、期間、会場や宿泊施設の確保を考えると「だからラスベガスなのか」と思わせました。 なかば、街を貸し切るかのようでした。

セッション会場で自由に食べられる食事

朝昼の食事はセッション会場で提供され、自由に取ることができます。

食事会場がとにかく広いです!

 

広大な会場に続々とひとが集まってきます。

余裕を持って広くしてあるので、空席に困ることなく席につくことができました。

メニューは会場ごとに違い、日替わりでメキシカンの日やアジア風の日がある会場もあり、ご飯があることもありました。

午後3時ごろになると、会場内の廊下(といっても幅がかなり広い)におやつやお茶が登場。

疲れてふらふらになっている頃に登場するのでありがたかったです。

どの会場の食事会場にも、コーヒーのところには牛乳とともに、オーツ麦のミルクが用意されていました。これがとてもおいしくて、毎日コーヒーにたくさん入れて飲んでいました。

キーノートがやたら派手

基調講演であるキーノートは、必ずライブ演奏から始まります。

最初は派手な演出に驚きつつも、これは単なる盛り上げではないことに気付きました。 会場の広さと人の多さから、全員が着席するまで30分以上かかるため、待ち時間を楽しませる工夫なのです。

キーノートでは、同時通訳トランシーバーを借りられるため、英語が苦手な人も安心して参加できます。 全体的に紫色を基調としたデザインが印象的で、会場全体が一体感に包まれていました。

セッション

期間中は、朝から夜までたくさんのセッションが開催されていまして、早朝からバスに乗って人が集まってきます。この写真は会場の一つマンダレイベイで朝の7時ちょうどに撮ったものです。

セッションには、話を聞く形式のBreakout sessionもあれば、実際に手を動かして作業をするワークショップ形式のものもありました。

Breakout sessionでは、演者が話した内容がリアルタイムで文字起こしされるので、英語の聞き取りが苦手でも内容を把握しやすいです。

キーノートでない普通のセッションでもとにかく紫、紫、紫で統一されていました。

ワークショップではみなノートPCを持ち込んで参加し、実際にAWSのコンソールを操作しながら学ぶことができます。

話を聞くだけなのと、実際に操作して見ることの差はとても大きく、実際に操作することで操作方法だけでなく、どうしてこのサービスやこういう形になっていて、このような設定が存在するのだろうとか、なぜこのサンプルプロジェクトはこのような構成になっているのだろうとか、具体的なものを眼の前にすると深く考えるので、サービスそのものに対する理解が深まりました。

印象に残ったセッション

NetflixのS3活用事例

  • S3の自動ライフサイクル管理だけに任せずに、ファイルにタグ付けして、自前でS3内での移動や削除を行って大きくコスト削減した事例
  • どのファイルを削除するかというところは苦労している様子だった。
  • 自分で構築するシステムでも、S3を使う際はファイルを消すためのファイル管理は、しっかりやる必要がありそう

S3 Tables

  • S3にApache Iceberg形式のデータを保存して、SQLで検索できる
  • コストとの相談だが「いらないと思うけど捨ててしまってもいいものか悩むDBのデータ」を保存するのに使えるかもしれない。データ保存の新しい形となるかも
    • ダンプを保存しておくよりも、直接SQLを使って検索できるのではるかに便利そう
  • もともと、Amazon AthenaとしてS3に保存されたIceberg形式のデータをSQLで検索できるようになっていたが、S3 Tablesはその処理を大幅に高速化して、機能を拡張してサービス名をつけたものの様子

S3 Metadata

  • S3のメタデータSQLで検索できる
  • ファイルにタグ付けできるので、S3の膨大な数のファイル簡易的なライフサイクル管理に使えそう
  • S3にファイルを格納すると、ファイルのメタデータをS3 Tablesに自動でIceberg形式で保存することで実現しているようで、S3 Tablesができたことで可能になったサービスの模様

AmazonQ (AWS版のcopilotみたいなサービス)

  • Workshopで利用するアカウントは全て利用可能になっていたので体験できた
  • 設定等でエラーがあると、AmzazonQのボタンもあってそのエラーを解消するためのヒントが出る
  • ただのQA集ではなく、自分の設定を見たうえで、エラーの原因や解決策を提案してくれるで実運用での活用が楽しみ

既存システムに一切触れずに機能追加をする方法

  • シナリオに沿って実際に手を動かして機能を追加するワークショップだった
  • 元のシステムがEventBridgeに出しているEventを勝手にもらって、それを駆動元として処理を開始することで、元のシステムに一切手を付けない機能追加を可能としている
  • システムからあたかもログのようにeventを発行しておけば、機能追加やシステムの調査も容易になる
    • AWS EventBridgeに対してのevent登録は、USD 1.00/100 万イベントでかなり安いので、そのあり方はとても良いと思った

さいごに

あたらしいAWSのサービスだけでなく、システム全体に関わる考え方についても考えさせられることが多く、今後システム開発を進めていくうえで大きな影響を受けた一週間でした。

特にEventBridgeのワークショップは印象的でした。知識として知ってはいても実装することで、SQS、lambdaやStepFunctions等の他のサービスとの関係性がぴったりはまり、やりたいことのイメージがどんどん湧いてきます。
こうやって、AWSにロックインされていくのかなと思うとほんとに商売上手ですね...

以上、AWS re:Invent 2024のレポートでした!

 

スパイダープラスでは本年も仲間を募集しています。こういうカンファレンス参加した経験のある方も、ない方も、是非お話しましょう…!